ＭＴＦは外見的には男性で、心(精神的)には女性の心を
持っているので女性ホルモンの投与だけでは、著しい効
果は得られません。

女性ホルモンを投与すると個人差がありますが、約１～２
ヶ月ぐらい続けると乳首がかたくコリコリしてきます。

６ヶ月ぐらいたつと、精巣で精子を生産されなくなる人
が多いようです。

そして、１～２年やっていると脂肪がつきやく丸みを帯びた
身体に変化してきます。

ただ、骨格や性格は男性時代と変わらず毛の量も変わるわけ
ではないので、永久脱毛で磨きをかける必要があります。

また、声も変わらないのでボイストレーニングなどをする
ことも視野に入れるのがいいでしょう。

どうして、女性ホルモンを打っても完全に女子力がアップ
できないのか？

それは、もともとの遺伝情報(染色体)が男性だからだと
思われます。

だから、ホルモン治療だけでは女性化は難しいのでＳＲＳ
(性別適合手術)、脱毛、豊胸などで女体化を望めるのです。

残念な事にＧＩＤ(性同一性障害)は一般的にまだまだ偏見が
ありますね。

ＭＴＦだと、告白しただけで振られてしまうという苦い経験
をすることもあるでしょう。

カミングアウトについてはどれだけ偏見や差別がなくなり、
一般への認知、理解がされるようになってもどうしても言
いたくないと思うことでしょう。

デリケートで複雑な問題なのです。相手が子供が欲しいと
言っていたらそれは叶えてあげることはできませんし。

でも、好きだからプロポーズされたら一生過ごして行きたい
というジレンマにさいなまれるのはそれだけで、精神的にエ
ネルギーも消耗してしまうでしょう。

しかし結婚してその相手と一緒に生活するということは
なかなか難しい問題です。

でも、結論から言えばその場は取り繕っても、のちのちお互い
ギクシャクしてしまい、離婚というケースも考えられます。

お互い、いい問題でないので先にキッパリと告げるのが賢明
です。

どちらか天秤にかけたときあなたはどちらが苦しいのかを
あなが自身がしっかり理解することが必要です。

ＭＴＦの性別適合手術(ＳＲＳ)は大きく２パターンあります。

ＳＲＳは陰茎の切除及び睾丸摘出は基本です。そこから、
膣を作るか、作らないかということが大きな違いです。

①造膣術(膣形成)

性行為ができるように、膣を造るためかなり
術後の痛みと回復までに時間がかります。

そして、人工的に造った膣なので放っておくと塞がってしまい
ます。そのためダイレーション(膣が塞がるのを防ぐこと)を一
生涯行う必要があります。

痛みが強いため鎮痛剤の服用をすることになるでしょう。ＳＲＳ
術後は毎日なので、時間と手間がかかります。

女性として性行為をしたいと強く願う場合は膣形成する必要が
ありますが、一生涯管理が大変であることと、無理矢理形成する
ので重篤な合併症にかかるリスクもあがります。

②造膣術(膣形成なし)

こちらは膣を造らないので、性行為はできません。

女性器(小陰唇、大陰唇、クリトリス)を精密に形成するため、
膣はなくても外見上は女性器そのものです。

造膣に比べて痛みが少なく、回復までの時間が短くて済みます。
①であげたダイレーションも不要です。

戸籍上の性別を変えたいという場合、セックスを望まなけれ
ばこちらの方が管理しやすく使い勝手はいいでしょう。

どちらも一長一短ありますので、あなたのこれからの生活に
合わせて決めるのがいいでしょう。